ヘアカラー剤、シャンプー、パーマ剤――。美容師が日々使う材料の価格が上がり続けています。最近の調査では、サロンオーナーや美容師の91.5%が「価格上昇を実感している」と回答。材料費の高騰は、もはや「一部のサロンだけの話」ではなく、業界全体の課題になっています。
この記事では、その調査結果をもとに、美容師がコスト高騰の時代にどう動くべきか、サロン経営や個人の働き方にどんな影響があるのかを深掘りします。特に、フリーランス美容師や業務委託美容師にとっては、「材料費をどう扱うか」が収入に直結する問題です。
📌 目次
📰 今回取り上げるニュース:9割超が材料費値上がりを実感
2026年6月12日、株式会社美通販と未知株式会社が共同で実施した「美容サロンの仕入れ・材料費に関する意識調査」の結果が発表されました。
調査対象は47名と小規模ですが、現場の肌感をリアルに反映した内容となっています。最も注目すべき結果が、冒頭でも触れた91.5%という数字です。「ここ1年でサロンで使用する材料や備品の価格上昇を感じたか」という質問に対し、「とても感じる」が42.6%、「やや感じる」が48.9%と、ほぼすべてのサロン・美容師が値上がりを体感していることがわかりました。
・「価格上昇を感じる」と回答したサロン:91.5%(「とても感じる」42.6% +「やや感じる」48.9%)
・調査実施:株式会社美通販 × 未知株式会社(2026年6月12日発表)
💡 値上がりした商材トップは「ヘアカラー剤」
価格上昇を感じている商材を具体的に見ると、ヘアカラー剤が最も多く挙げられました。続いて「ブリーチ剤」、「シャンプー・ヘアケア剤」、「パーマ剤」の順となっています。
これらは、美容師が日々の施術で欠かせない主力商材ばかりです。「カラーリングをやれば必ずコストがかかる」という現実に、さらなる価格上昇が加わっている状況です。
| 値上がりを感じている商材(上位) | 備考 |
|---|---|
| ヘアカラー剤 | 最多 |
| ブリーチ剤 | 2位 |
| シャンプー・ヘアケア剤 | 3位 |
| パーマ剤 | 4位 |
美容師の施術の柱となるカラーリングやブリーチは、技術料が上がりにくい一方でコストが増え続けている。この構造がサロンの収益を圧迫しています。
🔄 サロンの対応策:料金改定か、仕入れ見直しか
では、サロンはこの材料費高騰にどう対応しているのでしょうか。調査によると、最も多い対応策は「施術料金を値上げした」こと。続いて「使用する商材を見直した」、「仕入れ先を見直した」が続きます。
コストが上がった分を価格に転嫁する動きは、今の美容業界では珍しくありません。実際に、消費者物価指数を見ても、カット代やヘアカラーリング代は前年比でじわじわと上昇しています(2026年1月時点)。
① 施術料金を値上げした
② 使用する商材を見直した
③ 仕入れ先を見直した
また、仕入れ先を選ぶ際に最も重視するのは「価格の安さ」。コスト管理の重要性が一段と高まっていることがわかります。
料金改定は、消費者の理解が得られれば経営を守る正しい選択肢です。一方で、値上げによって客離れが起きるリスクもある。だからこそ、仕入れコストを下げるための仕入れ先の見直しや商材選定の重要性が増しています。
🔍 なぜこのニュースが美容師に重要なのか
材料費の話は「サロンオーナーだけの問題」と思われがちですが、実はすべての美容師に関係する問題です。
雇用サロンで働く美容師の場合、材料費は会社が負担するため直接的な痛みは少ないかもしれません。しかし、材料費が高騰してサロンの利益が圧迫されれば、スタッフの給与や賞与、設備への投資が抑制される可能性があります。間接的に、収入の伸び悩みや職場環境の悪化につながるリスクがあるのです。
一方、フリーランス・業務委託美容師の場合は話が変わります。材料費は自己負担になるケースが多く、値上がりは直接、手取り収入の減少に影響します。
💼 フリーランス・業務委託美容師にとっての材料費問題
業務委託やシェアサロンで働く美容師にとって、材料費(主にヘアカラー剤・ブリーチ剤・トリートメント剤など)は、毎月必ずかかる「事業コスト」です。
この材料費を上手に管理するための視点を整理してみましょう。
- 使用量を把握する:施術ごとに薬剤の使用グラム数を意識すると、月の材料費がどのくらいかかるか見えてきます。
- 技術料に材料費を反映させる:ブリーチやダブルカラーなどコストの高い施術は、技術料に材料費を上乗せする設計が現実的です。
- 仕入れ単価を見直す:代理店や業者によって仕入れ単価は異なります。同品質でより安価に仕入れられる選択肢がないか、定期的に確認することが大切です。
- 自費販売(店販)を活用する:ホームケア商品を販売することで、売上のバックを薬剤コストに充てることができます。
フリーランス美容師が「技術で稼ぐ」だけでなく、「コストを管理して手元に残す」感覚を持つことが、長く豊かに働き続けるための鍵です。
また、自分のメニュー価格を自由に設定できる環境かどうかも重要です。材料費が上がった際に価格転嫁の自由度があるかどうかが、働き方の選択に大きく影響します。
🏙️ 札幌の美容師にとっての意味
札幌でも、材料費の高騰は例外ではありません。北海道は輸送コストの影響を受けやすい地域でもあり、本州に比べてサプライチェーンのコストが上乗せされるケースもあります。
サロンオーナーが料金改定に踏み切るケースが増える中、美容師個人も「自分のメニュー単価をどう設計するか」を真剣に考える時代になっています。
特に、指名客が増えてきたタイミングや、新しいメニューを追加するタイミングは、価格を見直す絶好のチャンスです。「お客様が来てくれているから値上げしにくい」という気持ちはわかりますが、コストが上がり続ける中で価格を据え置くことは、じわじわと自分の収入を削ることになります。
✨ WE RULEの視点:高歩合がコスト負担の緩衝材になる
WE RULEは、技術売上の80%を美容師にバックする高歩合型のシェアサロンです。材料費は美容師の自己負担ですが、この高歩合の仕組みが、コスト高騰への対応力を生む緩衝材になっています。
例えば、技術売上が月50万円の場合、歩合80%で40万円が手元に残ります(シェアサロン基本使用料等を除く)。雇用サロンで歩合率が40〜50%程度の場合と比べると、薬剤コストを自己負担しても手取りが大きくなるケースが多いです。
さらに大切なのが、メニューと価格を自分で決められることです。WE RULEでは「何が良いかは、じぶんが決める。」という考え方を大切にしており、コストが上がったタイミングで価格を見直す自由が美容師一人ひとりにあります。雇用サロンのように本部の判断を待つ必要がなく、市場の変化に素早く対応できます。
また、WE RULEでは提携美容代理店(株式会社菊地)を通じた仕入れルートがあり、材料費の管理についても相談しやすい環境を整えています。フリーランス美容師が「一人で材料費の値上がりに立ち向かう」のではなく、仲間や代理店とのネットワークを活かしてコストを最適化できるのも、シェアサロンならではの強みです。
📝 今日からできること
材料費高騰の時代に美容師として収入を守るために、今すぐ始められることをまとめます。
- ✅ 直近3ヶ月の薬剤コストを計算する:月の売上に対して材料費が何%かかっているか把握する。
- ✅ 施術メニューの価格を見直す:特にブリーチ・ダブルカラーなどコストの高いメニューの料金設定を確認する。
- ✅ 仕入れ先を比較する:今使っている代理店や仕入れルートが最安値かどうか定期的にチェックする。
- ✅ 店販(ホームケア販売)を強化する:売上バックが高い店販を増やすことで、材料コストを実質的に補填する。
- ✅ 自分の働き方・歩合率を見直す:現在の雇用形態で、材料費が上がっても手取りが守られる構造になっているか確認する。
材料費の値上がりは止められませんが、自分の収入を守る方法は必ずあります。重要なのは「現状を把握すること」と「動ける環境を選ぶこと」です。
📋 まとめ
今回の調査は、美容業界の材料費高騰という現実を数字で示してくれました。91.5%のサロンが値上がりを実感し、対応策として価格改定・仕入れ見直しを進めています。
この波は、雇用で働く美容師にも、フリーランス・業務委託美容師にも、それぞれ異なる形で影響を与えます。大切なのは、コストの変化を「他人事」にせず、自分事として捉えて行動することです。
自分のメニュー価格を自由に設定できる環境、高い歩合で手元に収入が残りやすい仕組み、そして信頼できる仕入れルート。これらが揃った働き方を選ぶことが、材料費高騰の時代を生き抜く美容師の大切な戦略のひとつになっています。
コストが上がる時代だからこそ、価格も、働き方も、仕入れも、自分でコントロールできる環境を選ぶことが、美容師としての豊かさにつながります。